原状回復ガイドライン

カビ責任の判断ポイント(建築的観点からの整理)

原状回復トラブルで多い「カビ責任」の問題 

賃貸住宅の退去時には、
壁クロス・天井・家具裏などに発生したカビをめぐり、
原状回復費用の負担が問題になることがあります。

特にカビの場合は

・生活環境

・室内湿度

・建物の構造条件

など複数の要因が関係することが多く、
原因の整理が難しいケースも少なくありません。そのため、原状回復トラブルでは
国土交通省の原状回復ガイドラインの考え方を基準として
状況を整理することが一般的です。

原状回復ガイドラインの基本的な考え方 

原状回復ガイドラインでは、
退去時の費用負担について次のような原則が示されています。

貸主負担

・経年劣化

通常損耗

建物の構造や設備に起因するもの

借主負担

・故意または過失による損耗

・通常の使用方法を超える使用による損耗

適切な管理を怠ったことによる損耗カビについては、
このどちらに該当するかの判断が問題となります。

カビ責任判断で確認される主なポイント

原状回復トラブルでは、
次のような点が総合的に確認されることがあります。

室内環境の条件

カビは湿度が高い環境で発生しやすく、
室内の湿度条件が大きく影響します。

例えば

・室内干しの頻度

・入浴後の湿気

・加湿器の使用

・人数の多い居住                      

などによって、
室内湿度が高くなる場合があります。

空気の流れ

住宅では、
空気の流れが弱い場所に湿気が滞留しやすくなります。

例えば

・家具背面

・壁のコーナー

・外壁側の壁面                      

などは空気が動きにくく、
湿気が溜まりやすい場所です。

建物の温度条件

壁面温度が下がる場所では、
空気中の水蒸気が水滴になりやすくなります。

特に

・外壁に接する壁

・日射の少ない壁面

・断熱条件が弱い部分                 
などでは、
湿気が壁面に集まりやすくなる場合があります。

住宅設備の条件

住宅の設備条件も
カビ発生に影響する場合があります。

例えば

・換気設備の能力

・給気口の位置

・空気の循環状況などによっては、
特定の場所に湿気が集まりやすくなることがあります。

沖縄の住宅環境とカビ問題

沖縄では

・高温多湿の気候

・RC(鉄筋コンクリート)住宅

・室内外の温湿度差

などの条件が重なり、
結露やカビが発生しやすい環境になります。

そのためカビ問題では

生活環境だけでなく住宅条件の確認

が重要になる場合があります。

建築的観点からの状況整理 

当事務所では建築士の立場から

・建物の構造条件

・壁面の温度環境

・換気設備の状況

・室内空気の流れ

などを確認し、
カビ発生の要因を建築的観点から整理しています。

なお当事務所では

・清掃

・防カビ工事

・修繕工事などの業務は行っておらず、第三者として技術的整理のみを行っています。

技術整理の対象 

沖縄本島において、次のような住宅トラブルについて
建築的観点から状況整理を行っています。

・原状回復トラブル

・カビ発生原因の整理

・結露クレームの技術整理

・建物条件と使用条件の関係整理写真や間取り図をもとにし
現地調査を行います。